家族の一員でもある愛犬には、いつもおしゃれな姿でいてほしいものです。
ですが、見た目だけに注力していると愛犬にとっては肌触りが悪かったり、体温調整が難しくなったりして不快な思いをさせてしまうかもしれません。
そのため、服選びをするときには、言葉が話せない愛犬が快適に過ごせる犬服になっているかどうかを見極める必要があります。
ここでは、失敗しないためのポイントをいくつか見ていきます。
愛犬の様子を観察する
犬服を着慣れていない場合、服が珍しくてそわそわした様子を見せることがありますが、いつまでも落ち着かなかったり、服を噛んだりはずそうとする状態が続く場合は、その服の着心地が良くない可能性が高いです。可能であれば購入前に試着をさせてもらい、動きやすそうか、締め付けている箇所がないか、愛犬が嫌がっていないかをチェックしましょう。初めて犬服を着せるときにはどんな服でも落ち着かないことが多いですので、肌に触れる場所が少ないノースリーブタイプを選ぶのがおすすめです。
装飾過多なデザインは避ける
リボンやチャームがついた犬服はとても可愛らしいですが、取れやすい装飾がついている犬服は要注意です。服や体のどこかに引っかかって外れたり、愛犬がなめたり噛んだ拍子に口に入って誤飲する恐れがありますので、リスクが大きいと言わざるを得ません。また、装飾が多いと愛犬が寝そべったり転がったりしたときに異物感があってストレスにもなりかねませんので、できるだけシンプルで凹凸が少ないものを選びましょう。
着心地がよさそうな素材を探す
肌が敏感な小型犬にとって、着心地の良さはもちろんですが素材自体も重要なポイントです。特に被毛がある愛犬にとって静電気は大敵ですので、天然素材のものを優先して選ぶようにしましょう。化繊のような静電気が発生しやすい素材の犬服を着せるときには、柔軟剤や静電気除去スプレーなどを使うと不快な思いをさせずに着せられます。
サイズが合っているものを選ぶ
犬服のサイズは首回りと胴回り、着丈で選びますが、同じ号数の服でもメーカーやデザインによってこれらのサイズは若干異なります。きついサイズを着せると動きが制限されたり息苦しくなったりしてストレスを与えてしまいますし、摩擦による傷ができる可能性も捨てきれません。逆に緩すぎる服を着せると服を踏んだり脱げてからまってしまい、ケガをさせる恐れがあります。気に入ったデザインの服が見つかっても、全てサイズが愛犬に合っているかを確認してから着せるようにしましょう。
犬服のサイズは犬種や年齢によってある程度決まった号数があります。
しかし、同じ犬種、同じ年齢でも体の大きさや各サイズは異なりますので、愛犬のサイズをきちんと測った上で体に合ったものを選びましょう。
ポイントは、愛犬のサイズを正しく測ることとヌードサイズを参考にして犬服を選ぶことです。
愛犬のサイズの測り方
愛犬の正確なサイズを知らなければ、試着ができない犬服を購入するときに失敗する可能性が高くなります。そのため、サイズを測るときには正しい測り方を理解した上で行いましょう。また、小型犬とはいえ成長するとサイズは大きく変化します。手持ちの犬服がきつそうに思えたら、サイズを測り直して新しく体にフィットするものを選びましょう。
サイズを測るときは、まっすぐ立った状態で体を締め付けないように柔らかいメジャーや紐を使います。できれば一人が愛犬が動かないようにおさえ、もう一人が測定するのが望ましいでしょう。測定するときは被毛がありますので、肌にぴったり密着する状態ではなく、指が一本中に入るくらいにゆとりを持たせた状態で計測します。
首周りは首の付け根あたり、首輪よりも下の位置で測ります。そのため、首輪よりも若干サイズが大きめになるでしょう。一方、着丈を測るときは首輪の位置からシッポの付け根までを背骨に沿って測る必要があります。
胴回りは前足の付け根回り、胸の一番太い部分です。毛足が長い場合は被毛がわずかにつぶれる程度に緩めてサイズを選んだほうが着心地が良くなるでしょう。これらが愛犬のヌードサイズになります。
犬服のサイズ選び
犬服は明確な規定がなく、犬種や体格、年齢、体重などによってサイズ分けがされています。
号数やS、M、Lなどで表記してありますが、必ずしもどのメーカーでも同じサイズとは限りませんので、必ずヌードサイズを参考に選びましょう。
サイズ表にヌードサイズが書かれている場合はそれを参考にすればよいですが、出来上がり寸法しか書いていない場合には、ニットのような伸縮性のある素材ならぴったりか1cm程度ゆとりがあるもの、ストレッチ性のない生地ならばヌードサイズから4cm程度はゆとりがあるものがおすすめです。
試着ができる場合は実際に着せるのが一番確実ですが、試着できない場合はタグを取らずに自宅で着せてみて、返品や交換ができるか確認しておくと良いでしょう。
犬服に対して否定的な意見を持つ人もいますが、犬服は素材も仕立てもどんどん進化しており、さまざまなメリットを生み出しています。ここでは、代表的な犬服のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
犬の中には日本の気候が合わない種類も多くいますし、体温調整を苦手とする種類もいます。そんな愛犬にとって、犬服は人間同様に体温調整にとても役立つ存在です。
夏場は直射日光を避けられますので日焼け予防にも効果的ですし、通気性が良い素材や放熱性に優れている素材の服を着せると、体感温度がずいぶん変わります。
また、冬場は保温性の高い素材を選べば、寒さに弱い室内犬でも快適に散歩ができるでしょう。雨の日は防水性の高い素材の服を着せると、体を冷やしたり不快感を与えたりせずに済みます。
また、外出中の愛犬は様々なトラブルに見舞われがちです。草や枝で皮膚を傷つけたり、フィラリアなどの害虫に刺されたりすることも多いですが、服を着せておけばこれらのトラブルを防ぐことにもつながります。
ケガや病気をしているときに愛犬がその箇所をなめたり触ったりして回復が遅れることがありますが、これも犬服で防ぐことが可能です。加えて、泥などの汚れから体を守りつつ、室内などで抜け毛が飛び散るのを防ぐ役割も持っています。人の家やドッグカフェなどに連れていくときはマナーとして着せておくと安心です。
もちろん、おしゃれなファッションで愛犬の可愛らしさをアピールできるという点も大きなメリットです。飼い主と色やデザインを合わせてみたり、季節やイベントに応じた服を選んだりするのも楽しいでしょう。
デメリット
犬服を着せることにはデメリットも存在します。例えば、服を着せると摩擦で静電気が起きやすくなり、愛犬に不快な思いをさせたり、毛玉になりやすくなることがあります。
静電気対策をしたり、服を着せた後でブラッシングをすればある程度これらのデメリットは解消できるでしょう。また、犬服に慣れていない内はストレスを感じる可能性があります。
最初から服を長時間着せるのではなく、あまり嫌がらない服を選び、まずは短時間問題なく過ごせるようになってから徐々に時間を延ばすなど、極力ストレスを与えない対策を講じましょう。
装飾品の誤飲や服による締め付けなどもリスクとして考えられます。これらは服の選び方次第で回避できる可能性が高いため、愛犬に安心して着せることができるものを探しましょう。
犬服には様々なメリットがありますが、本来身につける必要がないものを着ることになりますので、ストレスに感じるワンちゃんも少なくありません。
犬服を着せるときには、ストレスにならないように工夫しながら、細かく反応を確認しましょう。
あくびをする、目をそらす、体をかくなどのストレスサインを出すようならば、犬服を変えたり後日機嫌が良い時に再挑戦するなどして、極力負担を与えないようにすることがポイントです。
服を着せるときですが、愛犬が嫌がるそぶりを見せたら無理強いするのはNGです。犬服そのものだけでなく、服を着る行為もストレスに感じて、ますます嫌がるようになります。袖を通すような複雑な服ではなく、着せやすい服を試してみましょう。
つなぎや袖のついていない服、ストレッチが効いて着せやすい服などがおすすめです。上手に着ることができたらご褒美をあげたり、しっかり褒めたりして服に対して良いイメージを持たせることも大切です。
初めの内は特に着心地の良さとサイズにこだわって服を選びましょう。
ワンちゃんは敏感肌ですので肌触りが柔らかく、ストレッチが効いて通気性の良い服がおすすめです。
天然素材で軽いものならば、服を着せても摩擦や肌への刺激が少なく、動きやすいので慣れるのも早いでしょう。
そのため、厚手の生地が多い冬服よりも薄手の夏服から挑戦した方がストレスを感じにくいです。
サイズは正確なヌードサイズを測定し、きつすぎず緩すぎずフィットした仕上がりのものを選ぶことが大切です。特に犬服を着慣れていない内は神経質になりやすいため、動きを邪魔しないようなデザインにもこだわりましょう。
このように、犬服を選ぶときには飼い主の好みだけでなく、愛犬にとって快適か動きを妨げないか、危険性がないかなどを基準にして選ぶ必要があります。
過度な装飾がなくても、シンプルで愛犬の可愛らしさを引き立てる服はたくさんありますし、萎縮したり嫌がったりせずに服を着こなしている姿はとてもおしゃれです。
しっかりサイズや素材などを確認して、愛犬が快適に過ごせる一着を見つけましょう。
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