ここでは、日常的なお散歩シーンから万が一の災害時まで多様な用途を想定し、おすすめの犬用キャリーバッグをご紹介していきます。
#近所へのお散歩(1時間以内)
近所へのお散歩など比較的短時間の移動であれば、布やナイロン素材のソフトタイプが軽量かつ気軽に持ち運べるので最適です。
犬の性格によっては寂しがりやで、閉鎖的な空間に入るのは好まないタイプもいるかもしれません。
そんな時は、布製のスリング型バッグが便利です。肩に斜め掛けするタイプで、犬は顔を外に出した状態でバッグの中に収まります。
飼い主との密着度が高いのが大きな特徴で、飼い主から離れたくない甘えん坊な犬もこれならご機嫌でいてくれるでしょう。
遠くからの様子は、まるで人間の赤ん坊を抱っこしているかのように見えるのも特徴です。
#電車など公共交通機関での移動
電車やバスなど公共交通機関で移動する場合は、前述のスリング型のような常に顔が外に出るタイプは使用できません。
そのため、運搬に適した箱型のクレート型に代表される顔まですっぽりとバッグ内に収まるタイプを選びましょう。
また、小型犬であればよりお手軽なトートバッグ型やショルダーバッグ型でも電車移動に対応できるでしょう。
ただし、都道府県をまたぐような2~3時間の長時間移動では安定性に優れ、衝撃にも強いハードタイプのクレート型キャリーバッグが適しています。
あるいは、リュック型でも形状が安定しているタイプであれば、小型犬から中型犬までの長距離・長時間移動に対応可能です。
#自動車での移動
自動車(自家用車)の場合は、公共交通機関のようにキャリーバッグに関してのルールはありません。
基本的には、飼い主が扱いやすいタイプのキャリーバッグを使用するのがベストです。
しかし、1時間を超えるような長時間の自動車移動であれば、衝撃の少ないハードタイプや形状が安定したタイプがおすすめです。
自動車は曲がりくねった道路を走行する機会も多く、長時間車内で不規則に揺られていると犬にとっても疲労やストレスの原因となってしまいますので、適度な休憩も大切です。
#旅行やアウトドア
旅行時は普段以上に長距離を歩くケースが多い上、土産品などを購入するなど、何かと手荷物が増えてしまいます。
そんな時はリュック型キャリーバッグに愛犬を入れて運んでいれば、両手が自由に使えるので便利です。
また、アウトドアで足場の悪い山道やカントリーロードを歩く場面でも、両手は自由に使える状態の方が飼い主・愛犬共に安全です。
#飛行機移動
飛行機搭乗時は、ほとんど全ての航空会社で金属やプラスチック製のクレート型バッグの使用がルールとして定められています。
航空会社によっては、専用のハードタイプのケージを貸し出してくれるケースもあるようです。
尚、一定のサイズ以上の犬は貨物扱いとなり、飼い主と一緒に旅客スペースに入ることができません。
詳細は、実際に搭乗する航空会社へその都度確認するようにしましょう。
#通院時
動物病院が犬の散歩圏内にある場合を除いては、通院時もキャリーバッグに入れて愛犬を運ぶことになります。
到着後、院内で落ち着いて待ってもらうという状況を考慮すると、安定性があって空間にも余裕がある、クレート型バッグが有力候補になるでしょう。
また、上部の扉が開く構造の方が診察時に柔軟な対応を取りやすくなります。
#災害避難時
災害は起きないに越したことはありませんが、愛犬と共にスムーズに避難できる収納バッグを準備しておくことは飼い主としては必須です。
まず、避難時の機動性を重視したい場合や避難時の足場の悪さや移動時の困難が予想される場合は、両手を自由に使えるリュック型が適しているでしょう。
リュック型の中でもなるべくハードタイプに近い、安定性に優れたタイプが望ましいです。
また、避難後の集団避難生活が長引くと想定される場合は、ハードタイプのクレート型バッグが実質的な犬小屋代わりになりますのでおすすめです。
キャリーバッグはこちら
#クレート型(ケージ型)
まずは、犬用キャリーバッグでお馴染みの形状とも言えるクレート型です。
クレート型は布やナイロンなど柔軟な素材で作られ、チャックで開閉する構造のソフトタイプとプラスチックなどで頑丈に作られ、運搬用ケージとしての用途も備えるハードタイプに分かれています。
定番タイプであるがゆえに、フック付き(犬の飛び出し防止)や車のシートに取り付けられるものなど、機能面も充実した商品が多いです。
クレート型ソフトタイプは軽量素材で持ち運びしやすい割に、底板が厚く自立性があるため安定性も悪くありません。
そのため、あまり長時間でなければ電車や車での移動時にも使用可能です。
もちろん、徒歩の移動にも向いており、使用時以外は折りたたみ可能でかさばる心配もありません。
1つでかなりオールラウンドに使いまわせるタイプと言えるでしょう。
クレート型ハードタイプは、犬用キャリーバッグの中で最も安定性と安全面に優れたタイプです。
飛行機搭乗時はこうしたハードタイプを使用するよう規定されているほか、長時間の乗り物移動など断続的な振動が続く場合はこれほど頼りになる存在はないでしょう。
#トートバッグ型
トートバッグ型は、シンプルに持ち運びやすいという点と犬用キャリーバッグには見えないほどのおしゃれなデザイン性が魅力です。
基本的には小型犬用で、徒歩移動時の用途がメインとなるでしょう。
中には、底の構造があまり安定していないものもありますが、その場合は長時間犬を入れておくには不向きです。
#ショルダーバッグ型
ショルダーバッグ型もやはり徒歩移動の場面で人気のタイプですが、トートバッグ型と異なり、両手が自由になる点がメリットです。
ショルダーバッグ型ではありますが、箱型に近く底板が厚いタイプも増えており、より優れた安定性を確保できます。
ただ、肩の一方に集中的に重量が乗るため、ある程度重量のある犬の持ち運びは難しい面があります。
トートバッグ型同様、小型犬を運ぶのに最も適したタイプと言えます。
#リュック型
リュック型もショルダーバッグと同じく両手を自由に使えるタイプですが、両肩で支えるため、中型犬クラスの重量でも対応できるのが魅力です。
バッグの構造も安定したものが多く、衝撃への耐性なども平均以上のものがほとんどでしょう。
移動時に愛犬の様子が全く見えないのが気掛かりという方もいますが、前向きに固定するタイプのリュック型も出回っています。
普段使いから長距離移動、さらに緊急避難時の用途までかなり汎用性の高いタイプと言えます。
#スリング型
スリング型は、人間で例えると抱っこ紐に近いタイプです。
あいにく公共交通機関では使えませんので、一見使い勝手が悪い印象を抱くかもしれません。
ただ、愛犬を赤ん坊のように密着させて散歩できる幸福感は他のキャリーバッグでは味わうことができません。
また、キャリーバッグに入るのが苦手な犬であっても、スリング型なら飼い主の顔を見つめ、その温もりを感じながら移動できますので、すんなり収まってくれる可能性があります。
薄型軽量素材は折りたたんでの持ち運びにも最適で、散歩距離が長すぎるようであれば、途中からスリングで愛犬を抱えて帰宅するといった用途にも対応できます。
#ペットカート
ペットカートはズバリ、ベビーカーの犬版です。
シニア犬や小型犬の多頭飼いに最適なタイプで、折りたたみ機能はもちろん、収納形状にも個性的な工夫が施されていて、中型~大型犬でも収まるタイプも登場しています。
公共交通機関を利用する予定の場合は、キャリーとフレーム部分が分離できるタイプの方が各鉄道会社のルールに合わせられる可能性が高いです。
#2~4wayなど使用方法が複数のタイプ
前述した数々の特徴を掛け合わせたタイプにも注目です。
例えば、多様なオリジナルペットグッズを販売しているブランドのアイリスオーヤマではリュック式、手提げ、肩掛けに対応し、さらにはキャスターを装備した多機能(4way)キャリーバッグを取り扱っています。
それぞれのタイプの足りない部分を補い合うことで、幅広い状況での使用を可能にしています。
おしゃれなキャリーバッグはこちら
バッグを運ぶのは飼い主ですが、入るのは飼い犬です。
ここではバッグ内の環境、つまり犬にとっての快適さに焦点を当て、好ましいキャリバッグの選び方を考えていきます。
#通気性の良いデザイン
全身を毛で覆われた犬にとって、夏の暑さの負担は人間の想像を絶するものがあるでしょう。
そんな身体的特徴を持った犬が少しでも快適に過ごせるよう、バッグ内の通気性は必ずチェックしておきたい要素です。
具体的には、メッシュ素材を多く採用したデザインであれば、バッグ内で程良い空気循環が保たれていると考えられます。
#過不足ない適度なスペース
長時間移動するのにバッグ内が窮屈過ぎては、犬にとっても当然不快要因となってしまいます。
目安としては、バッグの中で自然に方向転換できる程度のスペースが理想的です。
逆に、スペースが過度に余りすぎていると移動中の振動や衝撃でバッグ内の犬が不必要に揺れてしまい、疲労や乗り物酔いを起こしてしまう可能性も否定できません。
こうした点を参考に、飼い犬のサイズに合った寸法を慎重に選びましょう。
#底の素材は硬めがおすすめ
底材が柔軟な方が快適な印象を受けるかもしれませんが、実は底が柔らかいと犬はしっかりした姿勢をキープすることができません。
そうした不安定な状態が続くことで、犬には疲労やストレスが蓄積されていき、落ち着かなくなったり、吠え出すといった事態を招く可能性が高まります。
犬を衝撃から守るといった安全性も含め、底の素材の硬さは用途を問わずチェックしてほしいポイントです。